中心静脈カテーテル

  
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 中心静脈カテーテル
  目的

  病気の治療のためには、病態にあった点滴治療により、身体に必要な水分、
  栄養、ミネラル等のバランスを整える事が必要な場合が多く、適切な治療薬を
  投与することにより、病態の速やかな改善を図ることがあります。
  しかし、一般的な手や腕からの点滴では、静脈が細いために十分に必要な
  点滴量や栄養を投与することが出来ないため、心臓に近い太い静脈(中心
  静脈)にカテーテルを挿入・留置し、高カロリー輸液を行ないます。

  また、厳密な循環管理が必要な心不全、ショックなどの場合、あるいは中心
  静脈圧測定などの検査を行なう目的で中心静脈カテーテル挿入を行ないます。




  方法

  通常使用する静脈
  ・鎖骨下静脈
  ・内頚、外頚静脈
  ・大腿静脈
  ・上腕尺側皮静脈

  原則的に全身麻酔下に行います。
  局所麻酔は、中学生以上のお子さんで、本人が充分に同意された場合に限り
  行います。カテーテルの入れ方は、2通りあります。

  @ 静脈切開法(新生児〜体の小さいお子さん):脇の下を約2cm程切開し、
    腋窩静脈から直接カテーテルを挿入します。X線でカテーテルの位置を
    確認し、皮膚にカテーテルを固定します。

  A 穿刺法(乳児期以降):通常、お子さんの右鎖骨下静脈を針で穿刺し、
    ここからカテーテルを挿入します。X線でカテーテルの位置を確認し、
    皮膚にカテーテルを固定します。
    右鎖骨下静脈からの挿入が困難な場合、左側に留置することがあります。




  カテーテル挿入時の合併症

  穿刺法の場合:鎖骨下静脈は体の外からは見えないので、穿刺の過程で
  以下のことが起こりえます。

  @ 気胸:肺を穿刺してしまうことにより、肺から空気が漏れて、胸の中に空気が
    溜まってしまうことをいいます。
    空気の漏れが多い場合、胸の中に漏れた空気を抜く為のチューブ(胸腔
    ドレーン)を胸壁から入れなければならないことがあります。
    この処置により、通常1週間位で漏れが収まり、胸腔ドレーンを抜くことが
    出来ます。

  A 血胸:胸部の血管を穿刺することにより胸腔内に血液がたまることをいい
    ます。この場合も胸腔ドレーンの留置が必要になる場合があります。
    重症の場合、命にかかわる事もあります。

  B 動脈穿刺:鎖骨下静脈に並行して鎖骨下動脈があります。
    この血管を穿刺してしまうと血腫(血液のかたまり)を形成することがあり
    ます。通常時間と共に吸収されますが、重症のお子さんでは、縦隔や胸の
    中で大きくなり、呼吸困難などの症状を呈することがあります。

  C 横隔膜神経麻痺:ごく稀に、横隔膜神経を穿刺・損傷することにより横隔膜の
    動きが悪くなり、呼吸が苦しくなることがあります。

  D 血管外逸脱:カテーテル挿入時に、血管の外にカテーテルの先端が出て
    しまい、点滴の内容液が胸腔内に溜まってしまうことがあります。
    呼吸困難を呈するため、漏れた液体を抜くための胸腔ドレーンを入れる
    必要があります。

  E その他予期せぬ合併症:以上の合併症のほかに予期せぬ合併症を起こす
    こともあります。


  腋窩静脈切開法の場合:腋の下の静脈を露出する際、以下のことが起こり
  えます。

  @ 皮下出血:皮膚の下に血腫ができて感染しやすくなります。

  A 神経損傷:手の動きが悪くなることがあります。

  B 動脈損傷:通常、他の動脈から血液が手に供給されますが、この供給が
    悪い場合、手が冷たくなるなどのことが起こります。




  挿入以降の合併症

  @ 感染:中心静脈カテーテルは、通常の点滴に比べ感染をおこしやすい
    (細菌がつきやすい)とされています。
    このため、普段から十分気をつけて管理を行いますが、それでも感染を
    おこすことがあります。その際、通常38度以上の発熱が見られます。
    抗生剤投与により治療しますが、効果がない場合にはカテーテルを抜く
    必要があります。
    カテーテル挿入部は、消毒しバンソコウを張りますが、感染の危険性が
    高くなりますので、はがさないように注意してください。

  A 血管外逸脱:カテーテルの先端が自然に血管の外に出てしまい、点滴の
    内容液が胸腔内に溜まってしまうことがあります。
    呼吸困難を呈するため、漏れた液体を抜くための胸腔ドレーンを入れる
    必要があります。

  B カテーテルの断裂:ごく稀な合併症ですが、入れたカテーテルが、何らかの
    原因で断裂し、心臓や肺の血管の中に入ってしまうことがあります。
    この場合、心臓カテーテルを行い、断裂したカテーテルを摘出する必要が
    あります。

  C 閉塞:薬剤や血液の塊によってカテーテルが閉塞することがあります。
    閉塞した場合、生理食塩水などで圧をかけ、閉塞の解除を試みますが、
    無効の場合はカテーテル自体を抜かなければいけません。

  D 点滴ラインの損傷:点滴のラインは、コネクター部を含め、ある程度の
    強度を持った構造になっていますが、強い力が加わったときには損傷する
    可能性があり、それが原因で感染することがあります。
    点滴を強くひっぱったり踏んだりしないよう、気を付けて下さい。

  E その他予期せぬ合併症:以上の合併症のほかに予期せぬ合併症を起こす
    こともあります。



                               

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
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朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
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細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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