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 播種(転移)が見つかる
  2008年4月18日(金)

  今日は外来の日。そしてMRIの検査の日だ。
  前回は1ヶ月半前にCTでの検査をしたけれど、その時は進行している様子も
  なく、現状維持って感じだった。

  今回も何事もありませんように。。。と祈る。

  陸玖もMRIには慣れてきて、相変わらず眠剤はマズイから嫌だと、薬を使わ
  ないでMRIの検査をすることに。

  「30分間じっとしてるのは辛いから、お薬を飲んで寝ちゃおう!」と言っても
  「大丈夫。出来るよ!」と言って薬を飲まない陸玖。
  本当に眠剤が嫌なのね。。。

  今回も私も一緒にMRIの部屋に入って撮影開始。

  たまに動きそうな陸玖に、頑張れ〜と声を掛けながらどうにか撮影が終了。
  上手に検査が受けられるようになったね。偉いよ!

  診察の時間まで、いつものようにDSのゲームをしながら待つ。
  陸玖はいつものように元気だし、今回も現状維持できてるかな?
  それとも、最近は本当に元気だし腫瘍が少しは小さくなっているかな?
  そんな期待をしちゃうくらい陸玖は元気だ。

  診察の順番が来て、いつもの診察室に元気に入って行く陸玖。
  私も後から診察室に入ると、五味先生の表情がいつもと違う。
  いつもはニコニコして向かえてくれるのに、表情が硬い。

  『MRIの結果ですが。。。播種が出てます。』

  先生も言葉を詰まらせるような感じだ。
  
  前回の外来の時に、腫瘍がこれ以上大きくなって手足などに症状が出るよう
  なら開頭手術で腫瘍の中身を刳り貫くことなどを考えていると言っていた。
  しかし、現在の陸玖は元気に走り回れるほどなので、あえて今、危険な手術を
  する必要はないでしょう。という判断だった。
  私たちも、それは同じ意見でした。

  なのに。。。「播種!」
  あんなに元気なのに「播種?」信じられない。

  陸玖に、「先生と大事な話があるから…プレイルームで遊んでて」と
  陸玖を診察室から席を外させて先生の説明を聞く。

  播種が見つかったということは、腫瘍が髄液に乗って脳の中や脊髄に転移
  してしまうので、もう手術でどうにかできる状態ではなくなってしまった。
  放射線治療は既にMAX値まで使用していて出来ない。
  抗がん剤にしても、抗がん剤を服用していたにもかかわらず、転移してしまった
  のだから、これ以上の期待は出来ない。

  もう陸玖に何もしてあげることができないの?
  先生の説明を聞きながら目の前が真っ暗になった。
  涙がこぼれそうになるのを我慢するのが精一杯だ。
  先生も思っていたより早く播種になってしまったことで頭を抱えている。
  
  待ちくたびれた陸玖が診察室に入ってきた。
  こんなに元気なのに。。。誤診じゃないの?って思えるほど、いつもと変わらない
  陸玖。不安にさせないように私も先生も、いつものように明るく振舞う。

  今のところは見た目は変わった様子はないので、そのまま自宅で様子を見る
  ことになった。

  診察室から出るとき、五味先生が陸玖を呼び止めて、ぎゅっと抱きしめた。
  その様子を見て私は改めて、五味先生で良かったと思いました。

  陸玖にとっても私たちにとっても最後に後悔しないように、自分達が納得した
  病院・先生にお願いしたいと思って他の病院とかも調べたりしたけれど、陸玖も
  五味先生のことが大好きだし、陸玖を抱きしめている五味先生を見て、私たちの
  選択は間違いじゃなかったと確信しました。



  2008年4月19日(土)

  昨日のMRIで播種が見つかり、私もパパもショックでした。
  しかし、たまたまだけど今日は いつも我が家でバーベキューや忘年会をする
  家族ぐるみのお付き合いをしている友人たちが集まって我が家でパーティーする
  ことになっていた。
  
  もともと5月のGWにバーベキューは予定していたんだけど、その前に何って
  訳ではないけれどみんなで集まって飲み食いしよう!ってことになっていた。

  みんなには陸玖の病気のことは告げてある。
  みんながいつも以上に陸玖に優しくしてしてくれるのがすっごく伝わってくる。
  「みんな、ありがとう!」 
  陸玖も みんなが集まってとっても楽しそう!
  それに料理も陸玖の好きなものばかり並んでいるよ!

  楽しいパーティーなのに、ちょっとしたことで涙が出そうになる。
  悲しい涙ではなくて、やさしい暖かい涙だ。
  

  陸玖が病気になって悲しくて辛くて絶望的な冷たい涙はこれでもかってぐらい
  流しているけれど、それと同じくらい、みんなが心配してくれて応援してくれる
  暖かい気持ちがうれしくて、やさしい暖かい涙もたくさん流してる。

  本当に感謝です。




  結果的には、その後 播種が原因で水頭症を発症してしまい予定していたGWの
  バーベキューは中止になってしまいました。
  この日、大好きなみんなが集まって楽しく過ごしたパーティーが陸玖にとって
  みんなと最後に過ごした時間になってしまいました。


  

 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
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異変
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頭が痛い!
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CTに写らない!?
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入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
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退院前のMRI検査
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静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
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初めての外来
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保育園&空手 復帰
クリスマス
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雪遊び ボードデビュー
CT検査
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卒園式の練習
空手 昇級審査
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お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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