TOP > 添い寝をする
 添い寝をする
  2008年7月

  陸玖の容態は日に日に悪くなっていく。

  痰の吸引や体拭きなどのケアを看護師さんにしてもらっても陸玖の反応は
  ない。。。
  けれど、看護師さんはまるで陸玖と話をするように話掛けながらケアをして
  くれる。

  看護師さんが私に、「陸玖くんに何かしてあげたいことはありますか?」と
  聞いてくれる。
  今の陸玖に・・・何がしてあげられるんだろう。。。
  本当ならお風呂に入れてあげたいけど、呼吸器が付いているから無理だし、
  正直、聞かれてもどこまでOKなのかすら解からない。。。

  私が答えに困っていると、看護師さんが「陸玖くんに添い寝してあげます?」
  と言ってくれた。

  「はい、添い寝したいです!」ベッド脇から見てるだけじゃなく、もっと陸玖の
  傍に居たい!でも、左側は人工呼吸器は付いてるし、右側は点滴の管が
  いっぱいだし。。。添い寝は無理だと思ってました。
  そしたら看護師さんが、陸玖を少し左に動かしてどうにか私の寝るスペースを
  作ってくれた。

  看護師さんの「どうぞ!」という声に、ちょっとテレながらベッドに上がり、
  陸玖の横に添い寝をした。

  看護師さんが「ゆっくり休んで下さい。」と言って、陸玖と2人だけにしてくれた。
  3度目の入院をしてから、こんなに陸玖の傍に寄り添ったのは初めてでした。
  愛おしくて、強くぎゅっとしたいけれど、そうもいかないので、そっと抱きしめ
  ながら、頭を優しく撫でる。

  もう「頭が痛い」とも言わない陸玖。
  もう痛みは解からないの?
  
  回復して欲しい、意識がしっかりして欲しい。そう思う反面、もう「頭が痛い」と
  泣いて苦しむこともない。それはそれで、陸玖は楽になったのかな・・・。


  添い寝をしながら、今までのことをいろいろ思い出して考えると涙が止まらなく
  なってしまう。




  この頃、看護師さん達も陸玖くんに何がしてあげられるか?
  いろいろと考えてくれていたようです。

  天気が良ければ散歩!、シャワーで体を綺麗にしてあげたい、髪を洗って
  あげよう!・・・などなど。

  陸玖が亡くなったあと、病院へ訪れた際に看護師長さんが言ってました。
  みんな陸玖くんの為に何かしてあげたい一心でいろいろと案は出るけれど
  散歩もシャワーも今の陸玖くんには無理だから。。。というのは解かって
  いても、それでもどうにか実現できないかみんな考えてましたよ・・・と。

  ある日、身体拭きの時に看護師さんが手や足浴に使いましょうと入浴剤の
  バブを持ってきてくれた。

  洗面器のお湯にバブを溶かし、陸玖の手や足浴に使ってくれて陸玖は
  もちろん、お部屋中バブのいい匂い!
  陸玖もきっと、気持ち良かったと思います。

  その日から、身体拭きの時間はちょっとした入浴タイムに変身。
  今日は、どの香りにする?とまるで温泉気分でした。 O(≧∇≦)O



  看護師さんが陸玖くんのために・・・と頑張ってくれていると、保育士さんも
  陸玖くんのためにと毎日顔を見に来てくれる。
  そして、寝ている陸玖に優しく絵本を読んでくれます。

  7月になり季節は夏!
  陸玖くんのお部屋も夏バージョンにしよう!と保育士さんが言い出した。
  どんな風になるのか楽しみにしていると、数日後、見事な夏の森と海の
  飾り付けが壁に飾られた。



  しかも、この森と海は日に日にバージョンアップします。
  保育士さんや看護師さん、そしてママも参加して作品作りです。
  「こんなの作って来たよー!」とみんなが陸玖の部屋に飾りに来てくれます。
  最後の頃には貼る場所がないくらいに賑やかになってました。



  
  また、小児科では恒例のお絵かきも、
  どれだけ上手にキャラクターが書けるか
  看護師さん達もプレッシャーな日々。

  「上手い!」と褒めたり、「これ誰が書い
  たの?」と突っ込みがあったりと、私の
  落ち込む気分も、みなさんにずいぶんと
  助けられました。


体温調節が上手くできず寒いだろう・・と
看護師さんがゴーオンジャーの
帽子を作ってくれました!

”しょくぱんまん”はこうやって
書くんだ!と言って五味先生が
書いてくれました!
(上手い!)

  
  看護師さんも毎日担当の看護師さんは換わるけど、担当じゃない看護師さんも
  「今日は、まだ陸玖くんの顔を見てなかったから。。。」と言って仕事上がりに
  部屋に顔を出してくれたりと、陸玖はもちろん私まで、本当に良くしてもらい
  ました。






 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
みんなで旅行
 
3度目の入院
個室 付き添い
シャント交換
水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
床ずれ防止のエアマット
七夕 短冊への願い
気管挿管
保育園のお友達
けいれん止めの薬
気管切開する?
人工呼吸器を使う
延命治療@
添い寝をする
延命治療A
輸血する?
最後のケア
最後まで頑張ったね
みんなに見送られて・・・
天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
クリック募金サイト上の募金
ボタンをクリックするだけで、
無料で募金ができる仕組みです。
みんなで募金の輪を広げましょう!
 
 
Library
脳腫瘍(小児脳腫瘍)
斜視
水頭症
中心静脈カテーテル
小児慢性特定疾患
セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
免責事項
こちらで紹介している治療に関して本サイトは、あなたに対して保証できるものではありません。利用者が当ホームページの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。 本サイトを利用する場合は、自己責任にてお願い致します。
《重要》
ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。
Copyright (C) 2008  脳腫瘍と闘った小さな戦士 All Rights Reserved