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 みんなで旅行
  2008年5月31日(土)

  5月も中旬頃から日に日に陸玖の容態が悪くなっていくのを見ていて、パパの
  方のお婆ちゃんやお姉ちゃんが陸玖と一緒にどっか行きたい!と言って
  くれていた。
  陸玖に「どこに行きたい?」と聞くと、「温泉!」という答えが帰ってきた。
  温泉?? 年寄りじゃあるまいし。。。と思ったけど、1月の末にお友達家族と
  行った、那須塩原の雪遊び&温泉が楽しかったみたいで、それで また行き
  たいと言っているみたい。

  それを聞いたお婆ちゃん達が、陸玖と一緒に温泉旅行に行こう!と計画を
  立ててくれた。
  しかし、一緒に行く人数が多い。我が家が4人。
  お婆ちゃんにパパのお姉ちゃん。
  パパのお兄ちゃん家族が4人。合計10名だ。
  従姉妹たちは学校があるので、旅行は週末。
  その他、仕事の都合などみんなのスケジュールを調整しているうちに5月の
  末になってしまった。
  場所は、那須のホテルサンバレー。温泉にプールまである♪

  それまで、陸玖は大丈夫かな???

  5月も月末近くになると、頭痛の回数も多くなり陸玖も辛そうだ。
  だけど、月末のみんなとの旅行を励みに、毎日頑張っている。

  そんな状態で出発の朝。
  出発前に、陸玖が吐いてしまった。
  今までは、頭痛はあっても吐くほどではなかった。
  もう、限界か。。。

  陸玖に、「旅行は中止にしよう。」と言うと、陸玖は「ヤダ、行く!」と言って
  聞かない。。。
  頭痛はするし、吐いてるし、普通 大人なら、旅行は諦めるところだけど
  子供の気持ちは強い!
  そんな状態でも、「行く!」と言っている。

  どうせ、今からホテルをキャンセルしてもキャンセル料は取られるんだし、
  どうしてもだめなら、引き返してそのまま病院へ行く覚悟で、家を出発。

  天気は、あいにくの雨。

  車の中でも、ずーっと頭を冷やしっぱなし。
  でも、吐き気は治まったようだ。

  途中、高速のサービスエリアでは車から降りて車椅子でお店に寄れるくらいに
  回復してきた。

  そして、どうにかホテルに到着。
  すぐに、ロビーのソファに横になって頭を冷やす。

  チェックインの時間にはまだ早いけど、事情を話してお部屋に通してもらった。

  部屋に入っても、陸玖はベッドに横になったまま。
  時々眠っては、頭痛で起きるの繰り返し。

  夕食の時間、ホテルサンバレーのオススメ。バイキングの食事です。
  みんなに勧められ、どうにかレストランまで行くけれど、やっぱり食事どころ
  ではないみたい。
  仕方ないので私と陸玖は部屋に戻り、スタッフに事情を説明して、食事を
  部屋に持ち込む許可を貰う。

  お婆ちゃんにお姉ちゃん、パパのお兄ちゃんの奥さんや従姉妹たち。。。
  人手はあるので、これでもかってぐらいにお部屋に料理が運ばれた。

  陸玖は頭痛はあっても、食欲は旺盛な状態なので、ずらりと並んだ料理を
  見て陸玖も嬉しそう (^_^)

  でも、起き上がると頭が痛いらしいので、横になったまま少しずつ口へと
  運んであげる。
  陸玖は、「美味しい!」といってゆっくりと食事を摂った。

  食事の後、頭痛が落ち着いているようならお風呂に行ってみよう!と誘った
  けど、「いい・・・」と却下。

  体を起こすのが辛いようだ。



  2008年6月1日(日)

  翌朝、天気も良くなって、陸玖の調子も昨日よりはいい感じ。

  さすがに朝食を部屋に持ち込むことはできないので、交代で朝食を摂る。
  陸玖も少しだけど朝食は食べられた。

  朝にもお風呂を誘ってみたけど、「いい・・・」と断られ結局、陸玖は温泉に
  入らずホテルをチェックアウト。

  知らない場所のお風呂は、今の陸玖には不安だったのかもしれません。

  その後、りんどう湖ファミリー牧場へ遊びに行った。

  入ってすぐに錦鯉釣りをやっていたので
  みんなで挑戦!


従姉妹と弟くんのワンワン号!

陸玖も乗る〜と言って陸玖はパンダ号に!

  昨日、あんなに頭痛で起き上がれなかったのが嘘のようにニコヤカな陸玖。
  やっぱり、天気って関係あるのかな???

  お昼ご飯のあと、車椅子でみんなと一緒に園内をぐるっと一回り。
  大好きなソフトクリームも食べて、従姉妹たちも明日は学校があるし、陸玖も
  疲れちゃうから。。。と帰ろうとすると、陸玖はもっと居たいと言い出した。

  車は、お婆ちゃん家のと我が家の2台だから、別々に帰ることは可能だけど
  風も肌寒くなってきたし、やっぱり帰ろう!と言ってりんどう湖を後にした。

  早めに那須を出たので、夕食の時間にはお婆ちゃん家に到着。
  一緒にご飯を食べようということになり、パパのお兄ちゃん家族が買出しに
  行ってくれて、陸玖の大好きな物がテーブルに並んだ。
  マックのハッピーセットに鉄火巻き。もちろんコーラだってあるし。。。

  今日は、本当に調子がいいみたいで、用意してくれたご飯をペロリと
  たいらげた。

  その後、家に着いても調子はいい感じ。
  ちょっと大変な旅行だったけど、頑張って行った甲斐があったね!




  結局、この旅行が陸玖とみんなの最後の旅行になってしまいました。
  もっと早く連れて行ってあげれば、陸玖も楽しめたのに。。。と、みんな
  後悔しています。
  しかし、出発の朝に吐いているにも係わらず、旅行に行く!と行った陸玖の
  思いを叶える事ができて本当に良かったと思います。
  一緒に行けたことは、陸玖にもいい思い出になったよね!


  大きい病気をする子どもは心が強い子が多いと聞いたことがあります。
  もしそれが本当なら、確かに陸玖は強かった。
  大人でも大変な治療を頑張ったし、5歳の子どもには、”命”とか”生きる”とか
  良く解からないだろうけれど、最後まで病気が治ると信じていたと思います。
  強いから病気という試練が与えられるのか、病気だから強くなるのか。。。

  ただ、もし私が同じ頭痛や吐き気の状態だったら旅行には行けなかったと
  思います。
  陸玖は、本当に強い子でした・・・。
  




 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
みんなで旅行
 
3度目の入院
個室 付き添い
シャント交換
水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
床ずれ防止のエアマット
七夕 短冊への願い
気管挿管
保育園のお友達
けいれん止めの薬
気管切開する?
人工呼吸器を使う
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延命治療A
輸血する?
最後のケア
最後まで頑張ったね
みんなに見送られて・・・
天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
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小児慢性特定疾患
セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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