TOP > 七夕 短冊への願い
 七夕 短冊への願い
  2008年6月9(月)

  3度目の入院になってから1週間。
  腕から入れていたグリセオールの点滴がやっぱり漏れやすい。
  今の陸玖に唯一できる腫瘍への治療であり、脳の浮腫みを取るための大事な
  点滴だ。点滴が漏れる度に針の差し替えも大変なので、1回目の入院で
  行なった静脈カテーテルを再度、挿入することになった。

  前回は鎖骨下静脈だったけれど退院を期に抜いてしまい、同じ場所は使え
  ないので、今回は大腿静脈への挿入になった。

  前回は、手術室で全身麻酔をしての手術だったが、今回は病室で処置を
  行なうという。

  すぐ終わりますから。。。と手際よく準備が進められ私は病室の外へ。
  五味先生と小熊先生と数人の看護師さんで大腿静脈へのカテーテル挿入の
  処置が始まった。


  以前のように元気な陸玖ならば、「怖いよ〜、ヤダよ〜」と声を出して泣く
  のだろうけど、今の陸玖はどれだけのことが解かっているのだろう。。。
  痛みとか解かるのかな。。。
  陸玖の声が聞こえない。。。
  「怖いよ〜、痛いよ〜」って言ってよ!喋ってよ!
  陸玖の声が聞きたいよ・・・。



  処置は無事に終了。
  部屋も片付き、陸玖は何事も無かったように眠っている。

  腕の点滴が抜かれ、今度は足の付け根(大腿静脈)から点滴の管が伸びて
  いる。
  鼻には流動食用のチューブがあり、おしっこ用にバルーン(尿管カテーテル)
  の管も伸びている。。。

  つい10日前には、みんなと那須に旅行に行っていたとは思えない姿だ。
  個室に陸玖と2人きりになると、涙がこぼれて止まらない。


  今回入院してから、まともに食事が出来なかった陸玖。
  流動食もけいれんを起こしてしまって、結局1回きりだ。
  今回の静脈カテーテルを挿入したことにより、高カロリーな栄養も点滴から
  入れることができる。
  
  それにしても、足の付け根部分へのカテーテル挿入は、見ると痛々しい。
  陸玖はどんな感じなのだろう。。。
  やっぱり痛いのかな?痛いよね。。。
  陸玖の声が聞きたいよ・・・。

  夕方に陸玖は起きたのか、首や手を少し動かしてた。
  「痛いよ・・・」と言っているのかな?
  また、ここ最近ずっと手足をつっぱったような状態が多かったけど、今日は
  リラックスしている感じで、あくびをしたりもしている。

  陸玖は、頑張って生きている。
  言葉は出ないし、前のようには動かないけど、でも、陸玖は痛い処置にも
  絶えて頑張っている。
  私も泣いてばかりいられない。
  陸玖の手足を擦ったり。
  脳腫瘍にいいと言われている足の親指のツボを押したり。
  私に出来ることをやるしかない!



  2008年6月 中旬

  お部屋に保育士さんが七夕の飾りを持って尋ねてきた。
  そっかー、来月は七夕か・・・。
  このような状況で、季節感なんて感じる余裕もなかったから忘れてました。

  小さな笹に保育士さんたちの作った飾りが付けられ、お母さんも何か作って
  下さいね!と言って折り紙などの材料を渡された。
  そして、お願い事の短冊も。。。

  願い事か。。。
  願はたった一つ、「陸玖を助けてください」これだけだよな。。。

  とりあえず、陸玖の分の短冊から作成。
  うんー、今の陸玖ならなんて書くのかな???
  お腹も空いているだろうから、 「マックのハッピーセットが食べたい!」って
  言うかな?ということで。

  陸玖の短冊には ”マックのハッピーセットが食べたい!”に決定。

  そしてママは。。。
  マジにお願い事を書いたら、引かれるかな???とパパに聞いたら、
  「願い事は願い事なんだから、何を書いたっていいじゃん!」と言ってもらった
  ので。。。

  ”陸玖が元気になって、一緒にお家に帰れますように・・・”と書いた。

  そしてパパは???

  何やらこそこそと書いている。。。
 
  ”奇跡を起きろ!”とシンプルだけど、強い思いを感じる短冊ができた。
  出来上がった短冊を、笹に付けてお星さまにお願いをした。


  保育士さんや看護師さんたちが、陸玖の七夕飾りを見ては「綺麗に飾れて
  るね・・・」と声を掛けてくれる。

  陸玖の”ハッピーセットが食べたい!”という短冊を見ては「そうだね」と
  笑いかける。
  だけど、私達の短冊は。。。あまり突っ込む人はいませんでした。
  やっぱり願い事がヘビー過ぎたかな???






 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
みんなで旅行
 
3度目の入院
個室 付き添い
シャント交換
水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
床ずれ防止のエアマット
七夕 短冊への願い
気管挿管
保育園のお友達
けいれん止めの薬
気管切開する?
人工呼吸器を使う
延命治療@
添い寝をする
延命治療A
輸血する?
最後のケア
最後まで頑張ったね
みんなに見送られて・・・
天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
クリック募金サイト上の募金
ボタンをクリックするだけで、
無料で募金ができる仕組みです。
みんなで募金の輪を広げましょう!
 
 
Library
脳腫瘍(小児脳腫瘍)
斜視
水頭症
中心静脈カテーテル
小児慢性特定疾患
セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
免責事項
こちらで紹介している治療に関して本サイトは、あなたに対して保証できるものではありません。利用者が当ホームページの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。 本サイトを利用する場合は、自己責任にてお願い致します。
《重要》
ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。
Copyright (C) 2008  脳腫瘍と闘った小さな戦士 All Rights Reserved