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 セカンドオピニオン
  2008年4月4日(金)

  今日は、外来診察の日。
  いつものように血液検査を受け、五味先生の診察。
  血液検査の数値も、診察も問題なし。

  いつもなら、また2週間後に。。。と帰るところだけど、今日は違う。
  五味先生に「実は、相談があるのですが、お時間を少し頂けますか?」と
  聞くと、「いいですよ!」と答えてくれた。
  陸玖に、「プレイルームで待ってて!」と言って席を外してもらう。

  相談というのは『セカンドオピニオン』についてです。
  通常は、初診の頃に行なうものなんだろうけど、陸玖の病気が解って
  最初の頃は、陸玖はグッタリしていて1日でも早く治療を始めなければ
  ならない状態でした。
  それに、私達も始めて聞く病名と陸玖の余命を宣告されてパニック状態!
  セカンドオピニオンなんて考えることもできませんでした。

  その後も、陸玖のためにできる治療方法を何度も五味先生と話し合いをして
  きました。。。




  五味先生は入院の最初に言いました。

  「脳幹部腫瘍の場合は、術後の危険を考えると基本的に手術はしません。
   私達としては手術ではなく、放射線治療で腫瘍を出来るだけ小さくして、
   1日も早い退院をして、今までの生活に戻り再発するまでの残りの日々を
   いかに有意義に生きられるか考えることを勧めています。
   でも、どうしても腫瘍を摘出して欲しい、手術をして欲しいというご希望なら
   手術はできます。
   しかし、脳幹部のため術後に手や足などが動かなくなる可能性は大いに
   あります。最悪は、呼吸も危なく、ベッドに寝たきりになってしまうかも
   しれません。
  
   果たしてそれを生きていると言えるのでしょうか?
   考え方は親御さんそれぞれで、命さえ助かってくれていればそれでいいと
   いう人も居れば、それでは生きていると言えないと思う人も居ます。
   私の場合は、後者です。
   陸玖くんが陸玖くんらしく生活できなければ、生きているとは言えないのでは
   ないでしょうか。
   親御さんはどうお考えですか?」と。。。。



  初めて陸玖の病名を知り、余命を告知されたときなので、普通の精神状態
  ではありませんでしたが、私達も五味先生と同じ後者の考えです。

  陸玖は人一倍元気な子どもです。
  陸玖は、陸玖らしく元気に走り回っていて欲しい。
  元気に大きな声で笑っていて欲しい。

  私達の願は同じです。
  そのときに、五味先生にお任せしようと決めました。



  なら、どうして今になってセカンドオピニオン???と思われるでしょう。

  今までも、五味先生を信頼して任せてきました。
  その気持ちは、今でも変わりはありません。

  しかし、どうしても拭いきれないのが”100%の再発”です。
  今現在、本当に元気な陸玖を見ていると、どうしても欲が出てきてしまいます。
  やっぱり、どうにかならないのか?
  日本や世界には、有名な名医と言われるお医者さんはたくさんいます。
  テレビなどで、摘出困難な腫瘍を手術しているのを見ると、陸玖にも
  まだ可能性があるんじゃないか。。。と、どうしても思ってしまう。

  五味先生だって、脳外科医としてはベテランだし、決して間違ったことを
  言っているとは思わない。
  実際、ネットなどで有名な脳外科医の先生たちも脳幹部腫瘍については
  五味先生と同じ意見が多数だ。。。

  それでも、病院によっては積極的に手術をしているところもある。
  陸玖は、放射線治療で既に60グレイというこれ以上は無理というぐらいの
  放射線を受けています。
  けど、病院によっては他の放射線治療を試された方でも治療が可能と
  うたっているところもある。

  しかし、素人では調べるにも限界があります。
  今さら、五味先生にセカンドオピニオンや治療方法について質問するのは
  失礼になるんじゃないか――。という気持ちもあり悩みましたが、大事な
  陸玖のため、思い切って相談することに決めたのでした。



  気を悪くされたらどうしよう。。。と心配してましたが、五味先生は私の
  質問に親身に答えてくれました。

  気になっていた手術のこと。。。
  脳腫瘍の手術件数が最も多い○○病院のことも、「どうしても希望するなら
  もちろん紹介状を用意しますよ。」と言ってくれた。
  放射線治療の疑問では「『他の放射線治療を試された方でも・・・』という病院は
  あるけれど、これ以上の放射線治療をしたら、陸玖くんがボロボロになって
  しまいますよ!」とはっきりと言われた。

  その他、どの質問にも先生の利益や不利益といったことなど関係なく、真剣に
  答えてくれました。
  
  今回の話し合いで、やっぱり五味先生を信頼してお願いして良かったと
  思うことができました。
  
  いつ再発するか解らない状態ですが、最初に決めた「陸玖が陸玖らしく。。。」
  と言う、その答えは今も変わらないのだから五味先生と一緒に精一杯見守って
  行こうと改めて思いました。
  
  
  
 



 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
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うれしい外出許可
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脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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